キャリアコンサルタントになるまでに、「クライエントの自己理解の促進」と「クライエントの抱える問題の解決」のために様々な理論を学びます。
今日はその中の基本とも言えるパーソンズの特性因子理論をご紹介します。
パーソンズの理論=特性因子理論
①自己の適性・興味・能力などを見極め、
②様々な職業に求められる資質や報酬などを見定め、
③①と②をマッチングさせること
により、適切な職業選択がもたらされると考えました。
簡単にいうと、人には向き不向きがあり、『自分に向いている仕事』を見つけようということです。
これを特性因子理論と呼びます。
この考えをもとに、ウイリアムソンらによって「特性因子理論」による職業カウンセリングに発展し、長く職業指導の中心的な考え方となりました。
※ウイリアムソン
学生カウンセリウングにおける草分。心理テストや情報収拾を重視
特性因子って?
特性因子とは、人間の個性を捉える次元の一つだとされています。一人の人間が持つ複数の特定因子をアセスメント・ツールを用いて測定することで、他の人と比較した個人の特徴を浮き彫りにすることができます。
特性因子には、知性や性格、適性、興味などが含まれます。
考え方
個人の個性を理解し、その個性にマッチした職業選択を図ろうとする考え方が原則です。なので、特製因子理論はマッチング理論とも呼ばれています。
「人それぞれ異なった特性を持っており、自分の特性に適した職業を選ぶことによって、その職業をに対する満足度は高くなり、業績や安定も得られる」といった仮説に立っています。
アセスメント・ツールの開発
個性を理解するためには、個人の様々な特性や個性を測定するためにアセスメント・ツールが多数開発されました。アセスメントとは評価を意味します。
代表的なものは一般職業適性検査(GATB)があります。
カウンセリング内での活用法
適材適所という考え方が広く発展してきた中で、「自己理解(自分を理解すること)」と「仕事理解」は重要なポイントであるため、特性因子理論に基づきながら、個人の特性を理解することは大いに活用できるものです。
この理論はキャリアコンサルタントの“原点”とも言え、クライエントの問題解決に欠かせない理論です。
その他のポイント
特定因子理論に基づいたウイリアムソンの理論は、C.ロジャースらの「非指示的カウンセリング」に対し、「指示的カウンセリング」と呼ばれています。
まとめ
職業とのミスマッチに悩む学生達に対し、職業指導を始めたパーソンズが考えたことは、「丸い釘は丸い穴へ」ということでした。すなわち、個々の能力や適性、興味を理解しそれにマッチした仕事を探そうという考え方です。
その考え方をもとに、ウイリアムソンが職業カウンセリングを発展させました。
キーワードは「自己分析」「職業理解」「マッチング」
カウンセリングの3大源流の1つである職業指導運動の中で発展したということもポイントです。
3大源流についてはこちら